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星の呼び名

今回はリクエストをいただきました「星の名前」を紹介いたしましょう。

星の名前と言っても、惑星、恒星、衛星といろいろとありますし、それぞれの星をまとめた星座などと言うのもありますが、今回はそれぞれを絡めた形で紹介します。
日本語では一つの星や星座をいろいろな呼び方で呼んでいますので一般名に対して呼び名という形で記述いたします。
また 由来がわかるものに関しては記載してみました。

それでは先ず身近な太陽系から
(別名が見当たらないもの、不明なものは省略させていただきます。)

『金星』
 は夜空で最も明るい星で太陽が沈む頃から見え出しますので全国的に「イチバンボシ」の名前が付いています。
枕草子の中では「明星」これは宵の空に見えますので「宵の明星」とも言われています。
明け方の空で見えるときには「明けの明星」と名前が変わります。
また、尾張風土記逸文「星石」には玉置山にある石が「赤星(明星)」が落ちた跡である、とありますので「アカボシ」とも呼ばれていたようです。

『火星』
 螢惑(けいわく)」「ほのをぼし」「夏日星 なつひぼし」
 西郷星 さいごうぼし」
 これは明治の一時期に呼ばれた物で、1877/9/24に西郷隆盛が自決しましたが、その年の9/3に火星が地球に再接近し、夜空に輝いていたためにこう呼ばれたそうです。

『土星』
 「桐野星 きりのぼし」
 土星が火星と寄り添うような位置に来たため。西郷と一緒に戦った桐野利秋の名前からこうよばれたそうです。

『彗星』
「掃星 (ははきぼし)(ほうきぼし)」 空の穢れをはく、という意味
「穂垂れ星 (ほたれほし)」
「扇星 (あふぎぼし)」

『流星』
 「はしりぼし」
 「縁切り星 (えんきりぼし)」
 他の星に縁を切られて落ちていくことから、こうよばれたそうです。 
 「夜這星 (よばいぼし)」
 「星の嫁入り (ほしのよめいり)」
 静岡県では他の星への嫁入りを想像して「ほしのよめいり」と名付け、星が流れるさまを「よめった」と言う地方もあるようです。
 夜這はもともと婚すると言う意味で使われていたものでこれも同様の意味のようです。

「星の宿り ほしのやどり」
 星座のことを日本では古来からこう呼んできました。
ここからは星座や恒星の名前を紹介します

[おおぐま座]
『北斗七星』
 「柄杓星 ひしゃくぼし」
 「桝星」「酒桝」「七つ星」「七夜の星」「舵星」「七星剣」「四三(しそう)の星」「七曜の星」「鍵星」「船星」「北の星」「七ます星」「北のおおかじ」
 「北斗」は中国の名で、南にある「南斗六星」と呼び分けて「北斗七星」と呼びました。
 「北斗七星」を「大柄杓」、こぐま座全体を「小柄杓」とも呼ばれていました。
  海上では北極星を探せることから「アテボシ」と呼ばれて重要視されていました。
  漁師の間では「カジボシ」とも呼ばれ、能登の漁師の間では南斗六星と共に「北の大舵南の小舵」と呼ばれていました。
『おおぐま座η』
 「剣先星 破軍星」
『おおぐま座アルコル』
 「輔(そえ)星」「寿命星」

[こぐま座]
『こぐま座』
 「小七曜 こしちよう」
『北極星 こぐま座α』
 「子の星 ねのほし」「心星」「北の一つ星」「北辰」「妙見」「ひとつ星」「しん星」「めあて星」「めじるし星」「ほうがく星」「きたの星」「北の明星」「北の明神」「きたのおおぼし」
『こぐま座 コカブ(小熊座β星 もと北極星)とヘルカド(小熊座γ星)』
 「やらい星」「ばんの星」「やろ星」「やえの星」「やよい星」「にのほし」

[おうし座]
『プレアデス星団』
 「六連星 むつらほし」「昴 すばる・すまる」「いっしょう星」「くさ星」「はごいた星」「つと星」「くようの星」「すわり星」「もくさ・おくさ」「ななつ星」「すずなり星」「むらがり星」「あつまり星」「そうだん星」「ごちゃごちゃ星」「ぬか星」「ほうき星」「すすき星」「つち星」「みそこし星」「すいのう星」「はほがた星」「かんざし星」
 枕草子の中に「星はすばる、ひこぼし、明星・・・」と言う一節もありますね。
 ゴチャゴチャして見えることから「ゴチャゴチャボシ」、六つ見えることから「ムツラボシ」とも呼ばれていましたが、いやぁ その他にもいろんな呼び方があるものですね。
『ヒヤデス星団』
 「釣鐘星 つりがねぼし」「扇子星」「撞き鐘星」「苞星」「つと星」「もっこ星」
 「いなむら星」「こや星」「みの星」「うまのつら星」「かりまた」           『おうし座アルデバラン』
 「あと星」「あか星」「すまるの尾の星」

[しし座]
『しし座』
 「糸かけ星 いとかけほし」
『獅子座の頭部の6つの星列』(頭から前足にかけて)
 「獅子の大鎌 ししのおおかま」
 また、大鎌を逆さにして雨樋を支える金具と見た
 「トイカケボシ」(樋懸星)と言う名もあります。

[からす座]
『からす座』
 「皮張り星 かわはりぼし」
 「からす座」は「おとめ座」の南西にある四つの三等星が四辺形を作っていますので
 「四つ星」「だいがら星」「まくら星」「つくえ星」「はかま星」「ほかけ星」「ムジナのかわはり」と呼んでいる地方もあります。
                               
[うしかい座]
『アルクトゥートス(牛飼い座α)』
 「五月雨星 さみだれぼし」「雨夜の星 あまいのほし」「狗賓星 ぐひんぼし」「麦星 むぎぼし」「麦刈り星」「麦熟れ星」「よんじょう星」「かじがい星」「うおじま星」「のとにらみ」

[おとめ座]
『スピカ』
 「真珠星 しんじゅほし」

[ふたご座]
『ふたご座』
 「門杭 かどくい」門星、松杭、餅食い星、雑煮星 かどや星 としとり星
  旧正月の頃に、カストルとポルックスが直立して柱のように見えるため正月にちなんだ名前で呼ばれることが多いようです。。
『ふたご座 カストル/ポルックス』
 「カストル」は「銀星ギンボシ」、「ポルックス」は「金星キンボシ」が有名です。
 2つ対になっているため。
 「二つ星 ふたつぼし」「夫婦星」
 その他は2つの目にたとえられることが多く以下のような名前があります。
 「蟹目」「がにのめ」「かれーんめ」「犬の目」「猫の目」「目玉星」「両目星」「睨み星」「巨人の目」「両眼りょうがん」「めがね星」「めだま星」「にらみ星」「えちぜん星」「なげ星」  

[さそり座]
『さそり座』
 大きな「S」字型を釣り糸から釣り針に見立てて
 「魚釣り星 うおつりぼし」「鯛釣り星」「漁星」「柳星」
『アンタレス』
 赤い色より
 「酒酔い星 さけよいぼし」「赤星」「豊年星」「さけかい星」「さけうり星」「むぎ星」
『アンタレスと、σ、τの三ツ星』
 左右の星を両親に見立て
 「おやかつぎ星」「おやにない星」
 左右の三等星と山形になっているのを農夫がかごを担いでいる姿と見て
 「籠担ぎ星 かごかつぎぼし」「天秤棒星」「朸星」とも呼ばれます。
 その他の呼び方は
 「あきんど星」「あわいない星」「さばうり星」「おかご星」「よめいり星」「あきない星」「たるかつぎ星」「にかつぎ星」「おーこ星」「くまで星」「おざる星」「おやかた星」などがあります。
『さそり座μ星』
 これは肉眼二重星で瞬く様子が相撲をとってるように見えたためか
 「相撲取り星 すもうとりほし」とも呼ばれます
 その他には
 「からす星」「きゃふばい星」「おながわ星」「そが星」「おっかけ星」「しじゅうぐれ」「むぎたたき星」などがあるようです。
『サソリの尻尾』
 きれいな青い星が二つ並んでいますので
 「蟹の目星」とか「おとどい星(兄弟星)」「夫婦(みょーと)星」「ごろうじゅうろう」「こめつき星」「ふたつ星」とか呼ぶ地方もありました。

[かんむり座]
『かんむり座』
 「たいこ星」が一般的で
 他には車に見立てた「車星」
 籠に見立てた「籠星(かごぼし)」
 かまどに見立てて「竈星 かまどぼし」「鬼の竈」「長者の竈」「地獄の竈」「おかま星」などと呼んでいる地方もあります。
 その他変わったところでは
 「くびかざり星」「からかさ星」「おどりこ星」「にじ星」「いどばた星」「ゆびわ星」「はんかけ星」「きんきゃく星」「どひょう星」「ひずめの星」「くど星」「こうじん星」「へっつい星」など由来不明なものも・・・

[こと座]
『こと座 ベガ』
 昔から「タナバタ」と各地で呼ばれていました。
 「織姫」「棚機」「織り子星」「織女(たなばたつめ)」
『こと座のεζ』ヴェガと正三角形を作っている五等星二つ
 「七夕の子 たなばたのこ」
『こと座のβγδζ』
 四星が平行四角形なところから
 「瓜畑 うりばたけ」「瓜きりまな板」
 熊本地方では「タナバタの麻小笥(オコゲ)」と呼んでいるようです。
 オコゲとは麻を紡いで入れる桶での事だそうです。

[わし座]
『アルタイル』
 昔から「ひこぼし」と呼ばれ枕草子にも載っている古い名前です
 「いぬかい星」「うしかい星」「うしひき星」「いなみ星」なども有名
『鷲座αβγ』
 「河鼓三星 かこさんせい」「天鼓」
 沖縄では「継嗣星(ままくわぶし)」
 アイヌでは「ウナルベクサ・ノチウ(老婆の川渡り星)」
 などとも呼ばれているようです。
『わし座アルタイルの北東にある暗黒星雲』
 「鷲の黒い穴 わしのくろいあな」
     これはかなり新しいものでしょうね・・・

[はくちょう座]
『はくちょう座』
 「北十字」「十文字星 じゅうもんじぼし」が一般的です。
『デネブ』
 「古七夕 ふるたなばた」

[イルカ座]
『イルカ座のαβγδ』
 「菱星 ひしぼし」

[アンドロメダ座]
『アンドロメダ座のαβγδ』
 「斗掻き星 とかきほし」

[カシオペア座]
『カシオペア座』
 Wを逆さに見た
 「やまがた星」「錨星 いかりぼし」が一般的でその他は5つつの星の集まりから
 「ごようの星」「ごよせ星」「いつつ星」「かどちがい星」など

[オリオン座]
『オリオン座』
 「鼓星 つづみぼし」「よつ星」「くびれ星」「そで星」
『オリオン座ベテルギウス・リゲル』
 二つの1等星「ベテルギウス」「リゲル」の二つの星はミツボシを挟んで対抗しているように見えるので、武士の棟梁争いの源氏と平氏に見立て赤い「ベテルギウス」を赤旗の「平家星」、白い「リゲル」を白旗の「源氏星」と呼ばれていました。
 2つあわせたものの呼び方としては
 「わき星」「かなつきのあいて星」「むづらばさみ」「かなつきのりょうわきだて」
『オリオン座のδεζ』
 オリオンのベルトに当たる「みつ星」
 「さんこう」「さんちょうの星」「さんじょうさま」「さんだいしょう」「しゃくご星」「おやにない星」「おやこうこう星」「かせ星」「たけのふし」「はざのま」「たがいな星」「どようさぶろう」「からすき」「ごうます」「みずくみ星」「さんたろう星」
 すごい数あるんですね・・・
『オリオン座のθιη』オリオンの剣に当たる「こみつ星」
 「いんきょ星」「こさんじょう」「とも星」「まね星」「よこみつ星」「ぼんてん星」
『オリオン座のδεζθιη』(みつ星とこみつ星をあわせて)
 「柄鋤星 からすきぼし」「さかます星」「よこぜき」「すごろく星」「むづら」「がんだれ星」「まぐわ星」「くまんで星」「ごうます」「こながら星」「あぶらごう」
 
 オリオン座の呼び名の多さは重要な星座であることを示しているのでしょうね

[おおいぬ座]
『おおいぬ座の尾』
 「さんかく星」「くらかけ星」「みぼし」「うろこの星」「くらのむね」「くらはし」「なっとうばこ」「あぶらげ星」
『シリウス』
 「天狼 てんろう」「青星 あおぼし」 「おお星」「あと星」「かぜ星」「いかびき星」「えのぐ星」「ゆき星」
 やはり青いイメージの名前が多いようです。

[こいぬ座]
『プロキオン』
 「色白 いろしろ」「ちいさいおおぼし」

[りゅうこつ座]
『カノープス』
 「南極老人星」が有名
 讃岐では「横着星 おうちゃくぼし」
 茨城県では「(かずさの)おしょう星」
 千葉県館山では「入定星」
 千葉県勝浦と伊豆の伊東では「布良星 めらぼし」
 淡路では「なると星」「あわじ星」
 その他は「ろくぶの星」「だいなん星」「みなみのひとつ星」「ざぶざぶ星」「あきら星」「ひがん星」「げんごろう星」「なんきょくじゅせい」などと呼ばれています。
 
 関東では南の地平線にわずかに上る程度なのでシリウス(-1.48等星)に次ぐ輝星とは思えないほど暗く見えます。(カノープスは-0.72等星)

[いて座]
『いて座』
 「みぼし」「ふじみぼし」「たかみぼし」「みなみのこかじ」「みなみのかじぼし」

[ギョシャ座]
『ギョシャ座』
 星が五角形に並んでいるので日本各地で「ごかく星」「いつつ星」と呼ばれています。
『カペラ』
 五色に輝くことから「五色星」日本海側の一部の地方にでは現在でも「五色のカペラ」とも言われています。
 その他は「かんびん星」「能登星」「佐渡星」「やざき星」「すまるのえーて星」「きたすまい」「ぜに星」「さき星」など

まだまだあるようですが、有名なところを紹介しました。

また 無数の輝く星を「煌星 きらぼし」と呼んだり、 細かく散らばっているたくさんの星を「糠星 ぬかぼし」と呼んだり更には 吐く息さえも凍ってしまうような気温(-50℃)のときの微かな音のことを「星の囁き ほしのささやき」と表現したり、日本語には星にまつわる言葉もたくさんあります。

また何かの機会に紹介いたしましょう。

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