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2009年6月

夢の工場

もう20年以上前のこと
ほとんど気の合う常連だけがお客の静かな店がありました。
そのお店へのオマージュを一篇


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ふと むかしむかしのおみせを思い出しました。

そのお店の名前は「夢の工場」
装具は全部真っ黒で高い天井から吊られた電灯が唯一の店の灯かり
その下に大きなテーブルが一つ。
その回りに背のたかい椅子が囲み、いつものお客を待っている。
小さなロフトには誰が弾くでもないピアノが一つ。

いつものお客・・・それはその店と同じ名前の劇団員がほとんどで、
夕方になるとぽつりぽつりと決まった席が埋まってゆく。
みんな ママの得意なキッシュの虜。
そして あたたかいスパイスコーヒー。

席が埋まるとママは一番端の席にこしかけ、
微笑みながら他愛のない話にあいづちを打つ。

そういえば この店にも特別なデザートが一つ。
その名も「ファイアーマンのお誕生日」
お客さんのバースデイ専用の特別なスィーツ

もちろんメニューにものってないけれど、
ママは みんなの誕生日をちゃんと覚えていて、
夜の8時にそっと運んで来てくれる。

真っ赤なラズベリーソースが象徴的だけど
一度として同じ物はなかったな・・・

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