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キャラクター設定 -歴史(おいたち)しぐさ ポーズ-

それでは キャラクター作成パート2と言うことで、残りの部分 歴史(おいたち)しぐさ ポーズを解説します。

2.歴史(おいたち)
これは、育った環境と共にドラマティックな経験や恐怖体験などを特に重点的に設定します。
これを設定する事で、物事に対する判断の基準やトラウマ、癖やしぐさや自己表現などもそこからにじみ出て来ます。
より深い性格設定の基礎となるもので、この設定がしっかりしているとあやふやな判断や危機一髪のシーンでの行動や判断の間違いが少なくなります。
つまり「このキャラはこういう時こんなことしないよ」って言われるような行動を自然と取らなくなります。
これが結構ストーリーを作る時に大切なことでぼやけた設定をしていると作者の判断基準だけでストーリーが進んでしまう事になり奥行きが無くなってしまいます。
作者がこれが正しいと感じる事でも、その行動がストーリーの中でのそのキャラクターらしい行動とはかけ離れてしまうことはよく有ります。
それでは、実際の例で私のHPで公開しているデジタルフェアリーの中から「ネイモア」と言うキャラクターの生い立ちの設定は以下の通りです。

ボストンのスラム街にて出生
母親は天才ピアニストと称されたがネイモアが4才の時に交通事故にて死亡。
父親は不明。母親のマネージャーであったとかレコード会社のプロデューサーであったとか言われるが真実は分からない。
「不幸の天才」と呼ばれた母親はデビュー後もあまり売れることは無く酒場でピアノを弾き生計をたてていた。
風体はか細く、ストレートのプラチナブロンドは彼自身も受け継いでいる。
着飾ることは無いが、いつも赤いハイヒールを履いていた事も有りネイの中では「女性=赤いハイヒール」と言う暗黙の図式があるのかもしれない。
母の死後は身寄りも無く公立の施設に引き取られるが半年で脱走。
その後マッドサイエンティストと呼ばれるDr.サイマルに育てられる。
ネイモアがDr.サイマルに「オセロ」で賭けをして勝ったことで研究室兼自宅に転がりこんだのが原因である。
Dr.サイマルに基本的な電子工学、機械工学、生体工学を学び、元々の利発な頭脳もあって12才でその全ての博士号を修得。
15才の時に体質の適合もあって肘にデジタルリンク手術を受ける。
16才の時にDr.サイマルは実験中の事故で死亡。
以後は自己の理論を追求し、生体工学のタブーに迫る研究を始める。
このタブーとは自分の思い通りの生命を作り出すということである。

これでも大雑派な設定ですが、この生い立ちからちょっとひねくれたあの性格設定が出来あがっているのです。

3.しぐさ ポーズ

さて最後に特徴的な見てくれの部分です。
ビジュアルが有るにせよ文章だけにせよ、必ずちょっとしたポーズやしぐさの表現が出て来ますが、これが割とそのキャラクターの特徴を醸し出しています。
また そのための小道具と言うのが活躍します。
例えば、同じデジタルフェアリーに登場する「ギルモア」と言う刑事役のキャラがいますが、その小道具として「安物の葉巻」と言う物を用意しています。

ストーリーの中での表現を上げると

名前はギルモア、小汚ねぇトレンチコートに安物の葉巻を咥えてなんともいけすかねぇ奴だ。
ギルモアは吸いかけの葉巻を灰皿に突き刺して3番街に有るジェイクの店に向かった。
ギルモアはテーブルの端でマッチに火を付けゆっくりと葉巻に近づけた。
ギルモアは不機嫌に葉巻に火をつける。
ギルモアは上目使いで葉巻をもみ消しながら言った。

と言った感じで使っています。
このちょっとしたしぐさの表現がその場の雰囲気とキャラクターの性格やその時の心理をうまく表現できます。
また、これは口癖と同じようにそのキャラクター独自のもので、他のキャラには絶対にとらせないように心掛けています。

映像が有る場合は立っている時の手の位置や目線の配り方、そして手振りの癖や顔の傾げ方に至るまで細かいポーズ設定をしておくとそのキャラクターの特徴をより明確にする事が出来ます。

・・・と、ここまでに挙げた事が私がキャラクターを作る際に特に気を配っている事です。
細かい事を挙げればキリが無いですが、それは今後の機会にいろいろとお話しするとして、キャラクター設定に関しては(世界設定は除くとして)このくらいは最低限設定しておくと良いのではないでしょうか。

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コメント

なるほど!
人称の表現と語尾ですか、口癖は特徴として設定するのは分かりますが、この辺はちょっと目から鱗ですね。
最近、映画や小説を見ると会話がとてもつまらなく感じる事が有りますが(内容では無くて会話の掛け合いです)、確かに言われて見るとキャラの語尾や口調が重なるキャラが多いというのが分かりました。

>そのキャラクター独自のもので、他のキャラには絶対にとらせないように心掛けています。

これは確かに大切な事ですね、同系のキャラが同じ口調同じ行動を取るとほんとにどっちがどっちか読んでて分からなくなる事が有ります。

>ぼやけた設定をしていると作者の判断基準だけでストーリーが進んでしまう事になり奥行きが無くなってしまいます。

これです!
今回の記事を読ませてもらって一番「はっ!」としました。
私小説はともかく、最近のストーリーがなんとなく1作目以降どれも似通った物に見えてしまうのはこれなんでしょうね。
ステージは同じでもそこに登場するキャラは違うはずなのにどれも同じような原理の上で行動しているように見えてしまいます。
キャラを活かすって言うのはこの辺りなんだろうなと思いました。
いや 貴重なお話しありがとうございました。

投稿: Sin | 2007年12月 4日 (火) 23時11分

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